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4スタンスレッスン始めます

コロナ禍から学び始めた4スタンス理論、この度晴れて最上位のトレーナーの資格、「レッシュマスター級トレーナー」の資格を取得しました! それに伴い、4スタンス理論を活用した身体調整ならびにフルートのレッスンを始めることにいたしました。レッスンの詳細は4Stance&Lessonページをご覧ください。


4スタンス理論(レッシュ理論ともいいます)は、もともとアスリートのための身体動作理論として、プロ野球界やオリンピック選手などに採り入れられてきた理論ですが、近年では演奏やダンスなどのパフォーミングアーツ界にも浸透してきており効果を発揮しています。

詳しくは一般社団法人REASHプロジェクトのサイトをご覧ください。


ここでは、「4スタンス」って何?ということから、この理論が演奏とどう関係するのかというところを少し綴ってみたいと思います。


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4スタンス理論をごく簡単に説明すると、「人のカラダの使い方は4タイプに分かれる」という身体理論です。

例えば、暑いなあ〜とうちわで仰ぐとき、どちらの仰ぎ方に近いでしょうか?


① 手首をスナップさせる ② 肘から動かす


実は人によって関節の動かし方が異なるのです。他にも、水を飲むときにコップを持ちやすいのは、


① 人差し指と中指で持つ ② 中指と薬指で持つ


のどちらでしょうか?

周りの方の動きと比べてみると、そんなに違うの?と驚くかもしれません。

この2つの動作の組み合わせにより、


手首スナップ×人差し指

手首スナップ×薬指

肘から動かす×人差し指

肘から動かす×薬指


の4タイプに分かれます。


同じことをしているのに人によって動きが違うなんて面白いですよね。

手や腕だけではなく、身体の全ての関節の動きや連動も全て、4つのタイプに分かれます。


よって、4スタンス理論は、骨格や関節の連動に関する理論として「骨理学」とも呼ばれます。


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こういった、普段何気なくしている動きというのは、その人本来の自然な動作の現れです。

ですが私たち演奏家は、楽器を構える時・吹く時に、自分の骨格や関節の本来の動きに合う奏法で果たして演奏しているでしょうか?


もし、手首をスナップしてうちわを仰ぐ人が「フルートを吹くときには手首を固定して吹かなくてはならない」と、または、肘から動かしてうちわを仰ぐ人が「フルートを吹くときには肘を止めて安定させる」と教わっていたら…?


4スタンスの理論で考えると、自分の先生と自分のタイプが一致する確率は4分の1(タイプ別人口が同比率だとしたら)になります。


構えや奏法などの、身体をどのように使うかという身体動作の部分について、教師自身が、自分が上手く行く方法はこういう吹き方だからと経験論的な指導をしたり、教則本に書いてあるからという画一的な指導をしたりされたりすることは、とても大きなリスクがあります。教則本に書かれている内容も、その著者の身体的経験論に基づくものですしね。


このことを知った時に、これまでの私自身の吹き方の悩みの原因が、霧が晴れるようにすっきりと解決していきました。

もちろん師事してきた先生方は、良かれと思って、ご自身の身体に合った吹き方を教えてくださっていたのだと確信しています。ですが、その吹き方は私には合っておらず、無理に訓練を重ねていった結果、慢性的な身体の痛みや伸び悩み、更には脳が安定しないため、思考力の衰えにも繋がっていったのだとわかりました。


こうして4スタンスを実践しながら、自分自身の変化について実感しつつも、指導者の立場としての疑問も大きくなっていきました。

教則本の通りや自分の経験則で吹き方を教えることはできないのなら、どうしたら目の前の生徒たちに、その子に合った吹き方を教えられるのだろう?と。

その思いから、4スタンスの指導者資格を取ることを決意しました。


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同じ曲を演奏するのに、なぜ人によって違う音楽になるのか。それはきっと、その人がどのような世界を見ているか・感じているかという違いが、音楽に現れるからなのでしょう。

見ること・感じることは(それが空想の世界であっても)身体感覚である五感を使います。演奏には直感や直観も必要としますが、いわゆる第六感も、五感の鋭さのうえに発揮されると考えられています。


そのことを思うと、身体を自分の本来の形に整えることが、音楽をすることにとってもいかに大切なのか、ということがわかります。自分自身の音楽ができることは本当に幸せなことですよね。逆に、自分自身の音楽ができないことは、本当に苦しいことということもわかります。


私もまだ長い長い身体の学びの途中ですが、今苦しんでいる、悩みを抱えているすべての方が少しでも幸せになるように、役に立つことができればと思います。


 
 
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