先週末は恩師の一人、パウル・マイゼン先生の追悼演奏会。
尊敬する先生、先輩、後輩たちと同じ舞台に立ち、マイゼン先生へ思いを馳せる時間をご一緒できて幸せでした。演奏会実行委員会の先生方、村松楽器のみなさま、2年越しで開催してくださいましたご尽力に感謝申し上げます。
マイゼン先生から教わったことやいただいた言葉は数多くありますが、藝大での送別会の最後に、日本の伝統音楽を学びなさい、いつまでもヨーロッパを追いかけていないで日本人にしかできない演奏を目指しなさい、というようなことを仰られました。
当時箏とのデュオを組み、クラシックの基礎もままならないのに邦楽を演奏することに、やりたいことではあるものの常に葛藤があり先生方からも心配されてばかりだった私は、この言葉にどれだけ勇気づけられたか。
思い返せばいつも、必要な時に必要な言葉をくださる先生でした。もう一度お会いしたかった。
演奏会では、みなさんが吹かれたバッハが本当に美しくて、自分を省みて不勉強さに恥じていますが、先生の楽譜と向き合いじっくり取り組んでみたいと思います。
もう一つの楽譜、先生が編纂されたクロイツェルエチュードは学生時代から毎日のウォーミングアップの最初に欠かさず、大学の生徒にも全員吹いてもらっています。
この前の週はその教え子たちとのアンサンブル。大きく成長した彼女たちと演奏できるのは教師冥利に尽きました。
さて、来週は静岡県立大学にお招きいただき、演奏と講義をいたします。県大にはコロナ前からお世話になっており、再びお声をかけてくださいましてありがたい限りです。
講義は学生さんに向けてのものですが、大学側のご配慮により一般聴講も可能としてくださいました。平日ですがご興味のある方はぜひいらしてくださいませ。
12月21日(水) 10:40〜12:10 小講堂
静岡県立大学ムセイオン静岡主催特別講義
「音楽家が見た世界 〜イタリア、アメリカでの演奏体験から〜」
(申込不要、直接会場にお越しください)
チラシはこちら
国際関係学部の学生さんへの講義なので、今年のアメリカツアーやイタリアのことなどをお話ししようと考えています。演奏は無伴奏を2曲ほど。
ありがたい機会を一つ一つ大切に、場をご一緒するみなさまと温かなエネルギーの交歓ができますように。
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