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今年も「祝祭の場」に

4/6,7 天宮神社例大祭。


待っていてくれたかのように満開の桜のなかでの舞楽奉納。今年は本祭での奉納演奏に加えさせていただきました。


久しぶりに温かく穏やかな天気だったからか、集う人々も例年よりも心なしか朗らかそうで。

そんな人々の顔を見ながら感じていたのは、この地域の人々にとっての舞楽とは、国の重要無形文化財であるという気負いよりも、子供の成長を願い、若者から大人になる通過儀礼でもある、共同体の祝祭の場として存在しているのだろうな、ということでした。


春の訪れを祝い、一年を無病息災に過ごせたことを祝い、これからの一年も同じであるように予祝する古来の祈りと祭りの本質が、人々のなかに今もなお息づいていることを、今年は殊更に感じました。

ああ、形骸化されていない生きた祭りがここにはあるのだな、と。


帰国以来続く慌ただしさに心落ち着かないなか、6時間にわたる舞楽で笛を吹きながら心を鎮め、本殿と桜と舞人とそれを囲む人々を見ていると、季節や人生の節目を感じながら生きていくことがどれだけ意味のあることかということを思い出させてもらった気がしました。


そして、そう感じられるだけの心の感受性をやっと取り戻せたのだな、という気持ちにも。ようやく自分に向き合うことのできた、命の洗濯のような時間にもなりました。







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