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7月の思い出 シチリア編

17-25 July in Ragusa-Ibla, Sicily 28th IBLA GRAND PRIZE international competition


The last day of the competition, when I was playing at an auditorium (where was a church), I felt something feeling like prayer, I didn’t know why but tears came out. I felt that was the most wonderful moments in my musician’s life. Additionally wonderful encounter with amazing musicians and members of the foundation. really grateful to all of you!!

大分前になってしまいましたが、7/17〜25の1週間、シチリア南部の世界遺産の街ラグーサで行われた第28回イブラ・グランド・プライズ国際音楽コンクールに参加してきました。


このコンクールはとてもユニークなコンクールで、年齢・楽器の制限がなく、全部門合わせて審査され、街の数カ所にある会場で1日数回の演奏をし、聴衆に混じった審査員が1週間全ての演奏に対してジャッジをする、というもの。 もちろんコンクールではあるのですが、街を歩く人にとっては至るところでコンサートが行われているといった、音楽祭として楽しめる催しとなっています。


演奏は夕食後すぐに始まり真夜中まで。当日の夕方にその日のスケジュールが発表されます。音出し無しでぶっつけ、野外会場ではマイクが入り、響きは吹きながら作っていくという状態。 ラウンド制ではないのでチャンスは1回きりではないですが、1週間コンディションをキープし続けることや、状況に臨機応変に対応できる力、ステージマナーや聴衆との音楽を通したコミュニケーションなど、演奏技術以外にプロフェッショナルな演奏家として必要な様々な点がジャッジされ、精神的にもタフさを求められます。


出場者もプロとして活動している音楽家が多く、彼らの演奏を聴いて刺激を受けたり魅了されたり。また同じ楽器同士ではないこともあってライバル意識も感じず、互いにリスペクトし合い支え合いながらこの期間を乗り越えていきました。そうした素晴らしいミュージシャン達との出会いもここで得た大きな財産となりました。


そして、コンクールを主催するIBLA Foundationのスタッフの、参加者のことを常に気にかけ励ましてくれ、また音楽祭として街を盛り上げようという気持ちに、音楽と人間への大きな無償の愛情を感じました。


最終日、以前は教会だった講堂で吹いているとき、人々の祈りのようなとても強い想いを感じ、感極まってどうしようもなく涙が溢れてきて、その瞬間、音楽をやっていて本当によかったと心から感じました。 ラグーサの街は17世紀のシチリアの地震で崩壊し、ほとんどの建物はこのときに再建されました。そのことは、吹いている時にはまだ知りませんでしたが、その場に残っているエネルギーや想いのようなものや、聴いている人の心の奥底にある想いを感じたのかもしれません。


当時の気持ちを文章にするのに思いの外時間がかかってしまいましたが、音楽を競い合う典型的なコンクールとは大きく違うこのコンクール、結果以上に、得たものの大きさに改めて感慨深い思いです。 歳を重ねていくと色々な意味で慎重になっていくけれど、違う世界に飛び込んで行けば、返ってくるものは若い時よりもきっとずっと大きいということを、この先も忘れないようにしたいなと思います。