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4月のこと②


常葉大学短期大学部音楽科の勤務も早いもので今年度で9年目になりました。去年はコロナのため新年度早々オンラインレッスンになってしまったのですが、今年は対策を取りながら初回から対面レッスンを実施することができました。


マンツーマンでの実技レッスンは、当然ですがオンラインでは不十分なことばかりで、音質の問題などの技術的なことだけでなく、教師がすぐそばで演奏することによる生徒への感化、ということ一つとっても、やはり生身の人間が向き合うことが教育であるのだと思います。

でも、オンライン中に始めた、耳のトレーニングや知識の強化、創作など苦肉の策の指導案は、普段のレッスンに慣れてしまった生徒にとってはマンネリを解消するのに意外と効果があり、それはそれで(教育としてではなく学習としてですが)成長に繋がったように思うので、今年もどこかで取り入れていきたいなと考えています。


音楽を通して世界を見つめ、耳を開くことで、世界と他者の美しさ、そして自分自身の内面にも同じようにある美しさを感じる心を育てる。教える立場になったときからの理念といったようなものは、世界のどこの国の子どもたち、若者たちに対しても同じです。コロナのなかでも、学ぶ学生さんたちが充実した学生生活を送れるように、今年も精一杯伴走していきたいと思います。


また、本学では、高校生を対象に年に数回の実技体験レッスンを実施しています。入学を考えている学生さんも、進路は決まっていないけど音楽が好きで一緒に吹いてみたい、という学生さんも歓迎です。毎回フレッシュな感性と出会えるこの機会を、私もいつも楽しみにしています。お申し込みはこちら


そして、有難いことにフルートの実技以外にも、講義や講演の依頼をいただくことが近年増えてきましたが、この4月も、友人の岩田彩子さんが特別講師をしている姫路女学院の音楽教養講座にお呼ばれし、といってもリモートなので、講義コンテンツをパワポで作り音声を載せて(これが大変で、何回も噛みまくって撮り直して)お送りして、Zoomでインタビューを受けるという形で担当させていただきました。


講義テーマは、最近の活動をお互いに報告していた会話のなかから生まれた、「西と東の笛~時空を超える音楽~」という壮大なもの。東西の笛の音楽を聴いてもらいながら、それぞれの相違について、文化人類学的、楽器学的、美的なそれぞれの観点からお話ししました。

例えば、笛の穴の数は西も東も、その始まりは惑星の数や五行思想の宇宙論によって決められたことや、地域による楽器の形状や材質の違い、リベラルアーツの音楽的概念、伝統音楽や民俗音楽に見る自然観や精神性などなど。


とはいえ、音楽を専門に学ぶ学校ではないため、できるだけ彼女たちの日常に近いところに結論を落とし込むように、神戸の民俗芸能とその意味に触れたのち、「生まれ育った土地の音楽を大事にするのと同時に、世界のどんな地域にも土地に根づく音楽があるから、そう思うと、どんな音楽に対しても、どんな人々に対しても、一層の敬意と理解を持てるね」と締めくくりました。


ここでの隠れたテーマもまた、マクロコスモスとミクロコスモスの美しさ。コロナで一見狭くなった世界は、自分の内側で、住む地域でまだまだ無限に広がっているよ、というメッセージも感じてくれたら嬉しいなあ、と思います。


本当は対面で話も実演もしたかったし、生徒さんの反応が見れないのも残念だったけど、離れていてもできるこのような機会を作ってくれて、インタビューも口下手な私を上手く乗せてくれた、好奇心と向学心と人間力とバイタリティ溢れる友人に本当に感謝です。


こちらはインタビュー動画のスクリーンショットですが、こうして切り取って並べてみると、私たち一体何の話をしているのかと…笑