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4月のこと①

更新日:6月24日

もう2か月も経ってしまっているのに、書き途中だった続きを思い出しながら書いています。インプットは早いけどアウトプットが苦手なのは昔から変わらないなあ…まずは楽器のことから。


去年からカスタムをお願いしている私のフルート。これまで、楽器に自分が合わせることしか考えず、楽器を自分に合わせてもらうなんて思いもつかなかったけど、ただでさえ重い私の楽器は、自分の筋力と指の太さではどうしてもカバーしきれない問題を抱えていました。

若い時は力でどうにかなってきたのが今はもう限界を感じ、かといって軽い楽器に変えて今の音色を失ってしまいたくもなく、思い切ってメーカーにカスタムの相談をしたところ快諾していただき、試作を重ねてもらっています。


難しいのは、身体の末端である指のポジションだけ変えたところで、幹となる部分がずれてしまっては逆効果ということ。幹の感覚をどこで捉えるかは人により様々なので、まずは自分の体の動かし方のパターンを知って、どこに軸があるかを感得するところから…という風にやっていくと、キー一つ動かすだけでも相当な時間と労力が必要です。

そんなこんなでもう一年経ってしまったのだけど、メーカーの方たちとの二人三脚で少しずついい方向に近づいています。


楽器メーカーは各社、理想の楽器や音色を追求するためにとてつもない企業努力をされているため、その仕様を変えたいと言われることは決していい気分ではないだろうと思います。それを奏者の立場に立って吹きやすい仕様を一緒に考えていただけるのはとてもありがたいこと。そしてまた楽器学の勉強にもなるので、大学で担当している木管楽器の講義にも活かせそう。


そんな折、今度はコマラジ吉田プロデューサーからお誘いいただき、狛江の泉州尺八工房へ。フルートに装着する尺八のメタル頭部管を開発したとのことで、これは面白そう!と吹かせてもらいました。

フルートのアンブシュアとは全く違うので急には吹けませんでしたが、指はフルートのままだし、音さえ出れば楽しめそう。

フルートと尺八の掛け合わせという安易な発想に受け止められ、構想当初は保守的な方々からお叱りを受けたと仰っていましたが、民族楽器的視点で捉えれば、世界各地に縦吹きの笛はあるわけで、この楽器だからこそそうした音楽に近いものが演奏できるだろうし、フルートでも尺八でもない新しい音楽を生み出せる可能性も秘めている、と思えます。


和と洋、それぞれの工房にお邪魔した日でしたが、それぞれの楽器設計のアプローチの相違や、職人気質なお話に興味は尽きず、お引き合わせしたら凄そうだなあとワクワクしています。