12月も駆け抜けました。演奏は12月10日のフルートアンサンブルBouquet(ブーケ)3rd Concertだけでしたが、とにかくレッスンとリハがたくさん。
生徒たちであるブーケメンバーのアンサンブルのレッスンや、彼女たちが教える中高生への特別レッスン、また、大学の演奏会に向けての大学生へのレッスンや、コンチェルトのソリストに抜擢された教え子のレッスンなど、いつにも増して、四六時中生徒たちのことを考えていたひと月でした。
生徒たち自身も、本番ラッシュで抱える曲の多さに大変そうでしたが、どの本番も持ち前の情熱と勇気で乗り越え、楽しんで演奏する余裕まで見せてくれました。
ブーケのコンサートでは、私はゲストとして、カルメン幻想曲を彼女たちの伴奏で演奏するのがメインで、他にも何曲か一緒に吹いたりしましたが、そのどれもが、本番の演奏が一番素晴らしかったです!
大学入学から、または高校入学から見てきた彼女たちとこうして一緒の舞台に立ち、1回目のブーケのコンサートにゲストで出た時よりも更にずっと、プロの演奏家として着実に成長した姿を見ていて湧き上がるのは、彼女たちの人生の一部を共に過ごしてきたという、時の積み重ねに対する畏れと嬉しさが入り混じった感情でした。
音高や音大などの専門教育機関でフルートを教えるようになって、早いもので13年になります。
音楽は世界の全てと人の想像の現れであると思うのですが、それを教えるには、知識だけでなく、心の奥底やエゴ、もっといえば無意識の領域にまで踏み込まないとならず、「道」と呼ばれるものがそうであるように、音楽における師弟もまた、本当に深い関係性で繋がるようになるのだと思います。
だからこそ、「生徒」から「教え子」に変わり、プロとして同じ景色を見ながら話ができることがもう嬉しくて嬉しくて。
演奏はもちろんのこと、運営や後輩たちへのマネジメントにも苦心しながら、社会人として逞しく歩む彼女たちに、心からのエールを送ります。
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そうして思い出すのは、私自身の恩師たちのこと。
演奏に失敗したり、コンクールに通らなくて悔しい思いをした時に、普段のレッスンでは本当に厳しいのに、驚くほど母性に溢れた優しい言葉をかけて励まして下さった三上明子先生。
パウル・マイゼン先生は、ドイツ人らしい率直な言葉でダメ出しをされる方だったけど、その後にはどうしたらいいか、いつも一緒に真剣に考えてくれて、本当に細かいアドバイスを下さったな。
生徒のコンサートに、誰よりもウキウキして客席に座り、子供のように、誰よりも大きな拍手を最後まで続けてくれたのはミッシェル・モラゲス先生で、ピエール=イヴ・アルトー先生は、大きな包容力と鋭い審美眼を兼ね備えた方で、留学先の卒業試験で満場一致を取った時には泣くほど喜んでくれたな。
こんなに偉大な恩師たちに比べて、私は果たして生徒たちに何をしてあげられているのだろうか、私の背中が、恩師たちのように追いかける背中に値しているのだろうか、と自問することは日常茶飯事で。
それでも、素晴らしい恩師に恵まれたことを誇りに、その教えをできる限り伝え続けること、そして彼女たちに求められる限り伴走できる存在でいられるよう、これからも日々精進していこうと、改めて気を引き締めました。
こんな風に、一年の暮れのいま、恩師にも生徒にも恵まれて生きていること、そして、音楽が私という媒体を通して過去から未来へと繋がっていくことへの感謝を、この一年の出会いや学びへの感謝とともに感じています。
つくづく、人の出会いには本当に恵まれている人生だなと。いつ更新するか分からないこのブログを読みに来てくださるみなさまのことも、心より有り難く思いながら。(来年から、更新が分かりやすいようにもっと工夫しようと思います…!)
今年も残すところ数時間となりました。
お会いできたみなさま、叶わずともこうして繋がって下さったみなさま、本当にありがとうございました。どなたさまもどうぞよいお年をお迎えください。
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