カンボジアから帰国したのが先月下旬。あっという間にもう1ヶ月も経ってしまいました。
カンボジアでの出来事は今も色濃く心の中に残っています。スラムや孤児院、学校でのコンサート、授業やチャリティコンサートなど、そのどれもが唯一無二の体験となりました。
写真を(と私の心も)整理しつつ、ゆっくりと想いを言語化しながら、夏頃までに一つずつ記事を上げていけたらと思います。
そういえば、去年のウイグルツアーや一昨年のアメリカツアーのこともまだ書いていないなあ…なんという遅筆。こちらも必ず記事にしますので、どうかお付き合いくださいますよう…!
まずは帰国後のことから書いていこうと思いますので、お読みくださいましたら嬉しいです。
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日本への帰国の日、東京では初春の強風が猛烈に吹いていた日で、飛行機がこれでもかと何度も煽られながら、なんとか無事に到着しました。
カンボジアでは連日35度越えの高気圧のなか過ごしていたので、久しぶりの気圧頭痛を味わいながら、日本ではみな、天候不安定による身体への影響という理由で休みを取ってもいいんじゃないかと思ってしまった私は、かなりカンボジアに染まってしまったのかもしれません。
その週末は、藤枝市郷土博物館・文学館にて、開幕中の特別展「黒井健原画展」に合わせて開催いただいた、スプリング・フルートコンサートの演奏でした。
以前にも書きましたが、黒井健さんの「ミシシッピ」という画集を父が持っており、中学生だった私はそれを借りて(貰って)、実家を出るまでずっと部屋に飾っていました。
思春期の多感な時期、部屋に帰ればこの絵が迎えてくれて、心を癒してくれて。振り返れば私の感性の一部を作ってくれた絵でした。
職員の海野さんがこの展覧会と私を結びつけてくださったこと、そして海野さんと私ともまた、20年前にお仕事をご一緒したご縁がまた繋がったのですが、どちらもいい意味での因果なのだなと。
そしてお客様のなかにも、偶然の出会いから、数年ぶりに会いに来てくださった方々もいらして。
若い頃は無我夢中で動いていたことが、図らずも種を蒔く行為となって、月日が経ち花を咲かせていたことに気づくというような、人生の流れの中で出来事が円環していく尊さをしみじみと感じることとなりました。
そして、こうして地元での演奏を聴きにいらしてくださったり、応援してくださって居場所を作ってくださる方々のお陰で、安心して外にも旅立てるのだなという気持ちも、帰国するたびに大きくなっていき、有り難さがつくづく身に沁みます。
ご来場のお客さま、ご関係者のみなさま、温かな場を一緒に作ってくださいまして本当にありがとうございました。
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次の週末には静岡県フルートコンクールが開催され、私は実行委員長として運営に携わりました。
このコンクールは高校時代に受けたことがあって、その時の運営の先生方の優しさ温かさがとても強く印象に残っています。
時が経ち、今回実行委員長を仰せつかったことも、やはり種から花が咲いたような感慨深い思いを感じています。
諸先生・先輩方のお力をお借りしながら、参加のみなさまが気持ちよく実力を発揮して演奏していただけるよう、カンボジアからも何度もリモート会議を行いながら準備に励みました。
結果に関わらず、このコンクールが参加のみなさまにとって実りあるものとなっていたら嬉しく思います。
コンクールに続き、5月には入賞者によるコンサートが行われ、目下その準備に勤しんでいます。静岡からたくさんの才能が羽ばたいていきますように。
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それから、教え子たちに演奏やコンサート運営の指導をしたり、勤務校では今年度のレッスンが始まったりと、なんだかとても慌ただしく新年度に突入した感がありますが、求められることに感謝をしながら、演奏に教育に研究に、これからもできる限りのことをしていきたいと思います。
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