このブログにも何度も登場しています「天平楽府」、長いこと夢みていた静岡での演奏が、「静岡ミュージッキング・ラボ」コンサートシリーズの第1弾として、遂に遂に実現することとなりました!!
「天平楽府」ってなに?
どういう音楽を演奏するの?
という説明を少し要しますので、長いですが最後までお読みいただけましたら嬉しいです。
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天平楽府は、作曲家劉宏軍先生が主宰する、正倉院宝物の楽器を復元し演奏するアンサンブルです。
劉先生は、映画「ラストエンペラー」やNHK「シルクロード 遥かなる調べ」などの作曲をされた素晴らしい音楽家。2019年には中国にて「中華国楽文化創新傑出貢献人物」という音楽文化に貢献した10名に選出されました。
(※正倉院宝物の楽器とは:世界遺産・国宝である正倉院にはシルクロードから伝わった宝物が1300年間厳重に保存されており、特別展でのみ拝観可能。そのなかでも螺鈿で装飾が施された紫檀製の五絃琵琶は、世界で唯一現存している大変貴重な楽器。日本の雅楽の源流となった多くの管絃楽器が保存され、美術的価値も高い。)
劉先生は、
「1300年前、シルクロードから日本に伝わってきたのはどのような音楽だったのだろう?」
「正倉院に伝わる楽器は、実際にどのような音色を奏でていたのだろう?」
との想いから、わずかに残された資料から音楽を復曲し、長い年月をかけて、細部まで正確に製作し演奏に堪えうる状態に仕上げた復元楽器を完成させました。
そして天平楽府の演奏家により、いにしえの響きを今に伝えてきました。
天平楽府はこれまでに、日本各地での大掛かりな公演のほか、ユネスコあおによしコンサート、上海万博、中国公演、NY公演などにも招聘され、古楽譜復曲と劉先生のオリジナル曲の演奏による公演を行っています。
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私はご縁をいただき、2006年から天平楽府の横笛奏者として末席に名を連ねていますが、初めてリハーサルをした日、クラシック一辺倒だった私は、管楽器の光が射し込むような輝く響きや、絃楽器の郷愁を誘う染み入る音色、打楽器の命が蘇るような生命力に、
ああ、なんて雅で、煌びやかで、おおらかな音楽なんだろう!
と衝撃を受けたことは今でも忘れられません。
今や失われてしまった音楽を再現する。その試みを人生をかけて行ってきた劉先生の音楽は、再現といっても、決して学術的に正しくてもつまらない音楽ではなく、日本の雅楽や舞楽に近いものもありながら、大陸の躍動的なリズムとやエスニックなメロディーも混じり、まさにここでしか聴けない唯一無二のものです。
「みなさんに楽しんでもらうことが一番だからね」と、いつも劉先生は仰います。
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会場は、静岡市街のお寺、顕光院本堂。広い本堂は戦後の事情により和洋折衷様式で再建されたそうで、荘厳且つ柔らかな温かみもあって天平楽府の音楽ともぴったりな、それはそれは素敵な空間です。
また、演奏会の前日には、清水区興津のお寺、承元寺本堂で、翌日の演奏会をもっと楽しめて、もっと深く聴くことのお役にたてるように、
正倉院にはどんな楽器がある?
楽器のルーツはどこ?
音楽に込められた思想がある?
というようなお話と、天平楽府メンバーの世界的奏者、邵容さんと銭さんをお招きして、復元した五絃琵琶、そして中国笙の演奏もおこないます。
素晴らしい演奏と楽器とを間近で見ることのできるチャンスです。
承元寺は興津川のそば、山あいの静かな空気の綺麗なところにあり、境内の自然を見ながら琵琶と笙の音を聴く、風流な時間になることでしょう。
大陸でも日本でも、仏教文化のなかで育まれてきた当時の音楽。
音楽と呼応する会場で、五感を解放して楽しんでいただけましたら嬉しいです。
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