伊豆松崎の伊那下神社にて、天宮神社の舞楽を奉納いたしました。
十二段舞楽のうち、安摩、二の舞、納曽利、獅子の四舞を。
舞殿改修の奉祝記念として天宮神社の舞楽をお招きいただき、お天気にも恵まれてたくさんの方に観ていただくなか、心を込めて献奏しました。
やってみたかった餅まき係にも立候補し、人生初の餅まきも楽しみました。
天宮神社舞楽保存会の一員として、大先輩方とともに伊豆の地に天宮の舞楽を奉納できたことを本当に光栄に思います。
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奉納を終えたあと、地元の方に声をかけられて、女性が舞殿に上がることや、舞楽を始めた経緯などについて尋ねられました。
松崎でも伝統芸能の三番叟があるのだけど、少子化で継承が難しく、隣町では今年の奉納を断念したとのこと。
地方の民俗芸能継承の難しさを、悲しく悔しそうに仰るその方のお姿が忘れられず…色々と考えさせられました。
無責任な理想論をいくらでも言えるのは外部の人間だからであって、伝統を受け継いできた当事者の方たちがどういう選択をしたとしても、どれも決して間違いではないと思うのです。
それでも、外にいるからこそ、内部の人たちにとっては当たり前になっている、その地域の民俗芸能の貴重さがわかることもあります。
天宮神社でも「どうしてこんな田舎の舞楽に興味を持ったの?」と、よく不思議そうに聞かれるのですが、その度に「こんな舞楽をしているところは他にありません!」と熱弁しています。
この伊那下神社、偶然にも元生徒のお宮参りの神社だったそうで、無責任な一部外者の想いかもしれませんが、どうかこのような地方の大切な伝統がこれからも続いていきますようにと願わずにはいられませんでした。