ようやくカンボジアのことをまとめられる時間ができました。
今回は約1ヶ月と長い滞在で、いつも以上に得たものや感じたことも多かったので、何回かに分けて記事を上げていきたいと思います。
まずは、今回初めて行った場所のことから。
今回は、地方の町や村にも行きました。首都プノンペンの隣の州、コンポンスプー州内を周って、学校訪問演奏を10回。
コンポンスプー州での演奏は、以前にも触れた国際NGO「JECSAカンボジア」の招きによるもので、代表の松田辰弘さんが訪問先から滞在先から全てをアレンジして下さいました。
松田さんとのご縁についても少し触れたいと思いますが、そのご縁は、前回、プノンペンのドンボスコスクールで経営陣へインタビューをする際に、通訳として同行してくださったのが始まりでした。この時に、松田さんの支援先の学校にも来てほしいとお声をかけていただき、地方を回る予定だったのが、コロナのパンデミックで帰国を余儀なくされてしまいました。
そして今回、その時に叶えられなかった訪問がようやく実現できました。
コンポンスプー州内での移動はバイクの後ろに乗って。カンボジアでは二輪の免許が不要なので、高校生もバイク通学していたりと、常時ものすごい数のバイクが縦横無尽に走っています。
そして宿泊は、ホテルに加えてホームステイもし、現地の人たちと同じ生活を束の間過ごしました。
朝は鳥の声とともに起きて、夜は日が落ちたら寝るという、日本にいる時とは考えられないくらい健康的な生活。
滞在中にちょうど、ホストファミリーのお宅で結婚記念のパーティーがあって、そこでも演奏をしたりと、現地の風習にしっかり溶け込ませていただいたことも嬉しかったな。
そうして生活してみて感じるのは、人同士の境界線がとても緩いこと。どこまでがその家の家族なのかわからないくらい、いつもたくさんの人たちが集まって、歓談したり、昼寝をしたり、カラオケをしたりしています。
私がちょっと外で練習を始めると、どこからともなくたくさんの子供が集まってきたりなんかもして、村が一つの家族のような。
さらには、動物や自然との境界も緩い。村のどこにでも牛がいるのだけど、どこか人間的というか、バイクで通ろうとすると道を譲り合ったりしていて、思わず笑みがこぼれます。
そんな牛を食べていると思うととても罪悪感を感じますが、貴重なタンパク源なのでありがたく美味しくいただきました。
他にも、ごみ収集システムがなかったり、水回りが整っていなかったり、停電が頻繁に起きたり、といったように、様々な場面で日本とのギャップに遭遇したけれど、どこに行っても変わらないのは自然の美しさ。カンボジアの田舎がこんなに美しいなんて知らなかったな。
椰子の木に登って、取って、全て手作業で作られたパームシュガーの味はもうそれは美味しくて。
こういうところに住む人々にとって、音楽とはどういうものなのだろう。
自然の音楽がたくさんあって、そこにもう十分耳が開いていて、それ以上の音楽はいらないのでは、とも思ったりも。
でもやっぱり、娯楽としての音楽は必要とされていて。じゃあ娯楽じゃない音楽はどうなのだろう。イマジネーションの世界へ旅立てる音楽は、ここでは必要とされるのだろうか。
なんていうようなことも思い巡った、田舎の滞在でした。
Kommentare