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「ゲニウス・ロキ」&ユネスコ講座のお知らせ

静岡県立大学にて、今学期2回目の特別講義をさせていただきました。


前回は西洋とカンボジアでしたが、今回はオリエントから日本まで。

「シルクロード終着の地日本〜正倉院宝物から日本最古の舞台芸術を知る」というテーマで、朝早くからみなさん熱心に聞いてくださいました。


音楽以外を専門にする学生さんがどんなことを学んでくださったのか興味津々。世界への新たな気づきや出会いの場に少しでもなったようでしたら嬉しく思います。


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私たち演奏家は、様々な音楽を様々な場所で演奏するのだけど、その音楽が生まれた土地の空気を、場所も時代も違う相手にどこまで現前させられるか。ということを、色々な笛を吹くようになり、世界各地に行かせていただくことが多くなったここ数年、漠然と考えていました。


そのようななか、土地の記憶や地霊という意味の「ゲニウス・ロキ」という言葉を最近知って納得。

現在では、主に建築や設計で使われる言葉らしいけれど、演奏家にとっては、演奏する曲の、または演奏する場所の、土地の記憶を感じたり体得したりすることに当たるな、と。


それは、その国や地域について知ることや、時代背景や作曲家の意図などということとは全く違う深さにある、もっと微かなもので、もっと根源的なもの。

建築関係者に関わらず、パフォーミングアーツの当事者たちにこそ、必要なことなのではないかと腑に落ちたのでした。


この日に篠笛と田楽笛で演奏した曲は、どちらも大陸由来の音楽だったのだけど、ほとんどの学生さんが日本の音楽に聞こえると…

日本の楽器ということもあるけど、ひとえに私の力不足で、やはりシルクロードの土地の記憶を体感しにいかないといけないな、と思った次第で。いつか旅できたらいいなあ。


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今回も、尊敬する先生方からたくさんのお力添えと学びをいただきました。

講義案を作るたびに新しい発見があり、私自身もワクワクしながら話し終えたら、名誉教授の先生が一言、「年齢を重ねないと学べないことがあるよね。歳取るのもいいことでしょ!」と。

霞目になったり四十肩になったりと、身体にガタが来始めている今の私への励ましのお言葉にとても勇気づけられました。


今年は講義(講演)+演奏の機会を、有り難いことに、他の場所でもあと数回いただいています。

一般公開の講座は9月16日(土)、NPO法人設立静岡ユネスコ協会創立75周年記念講座として、カンボジアでの音楽教育活動についてお話しさせていただきます。詳細はScheduleページをご覧ください。


カンボジアの「土地の記憶」というと、悲惨な歴史を連想される方が多いだろうと思います。

やはり内戦とその傷跡が焦点にはなりますが、それだけではなく、現地で感じた、もっと古い時代・新しい時代の多層的な土地の記憶もまた、ご紹介できたらと思っています。


話すことと演奏の両立はなかなか大変ではありますが、どちらもお互いを補完する大切なものと考え、準備に励んでいます。

ぜひみなさまに聴いていただけますように。





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